(8)理想の雨樋とは
当装置は落ち葉を太陽で乾燥させ風で飛散させる、すべて自然の力で雨樋の掃除をするものであり、充分にその効果を発揮させるためにはそれに見合った条件が必要です。
- その1:丸樋か角樋かです。
現在は角樋の方が多く使用されておりますが、効果はその構造上から、落葉樹の落葉で比較すると丸樋の場合の約50〜60パーセントの効果となります。 - その2:落ち葉の種類です。
落葉樹の種類でも変わりますが、最も大きいのは落葉樹と針葉樹です。針葉樹は飛散し難いのです。『丸樋・角樋』及び『落ち葉の種類』については他の項で述べておりますので詳しくは実例27をご覧下さい。 - その3:日本列島の南と北、そして太平洋側と日本海側です。
特に太平洋側の1〜3月の、落ち葉を乾燥させて北風で飛散させる時期が、日本海側は豪雪の時期となります。
以上ですが現在お住まいのご自宅の環境は変え難いものであり、その効果が大差のある事をご了承して頂ければと思います。勿論、お客様の判断で返品(3年以内)して下さって結構です。
また、設置の方法や条件により効果が大きく変わりますので是非参考にし、実行して下さればと思います。
先ずは下図をよくご覧ください。
これから近い将来一般に使用されると考えられる雨樋(軒樋)の断面図です。現在製造されておりませんので誰にも知られておりません。
丸トイクリーン・角トイクリーンは発売後、その効果について口コミからHPをご覧にならない方々まで急速な広がりを見せております。この普及の結果から考えられる進化した丸樋です。この丸樋が主流となり丸トイクリーンとの組み合わせにより雨樋掃除の問題は殆ど解消されるものと思います。
この雨樋は丸樋・角樋の双方の長所を持つと同時に欠点の全くない雨樋です。
- 丸樋の欠点は、雪や詰まりによる重量で弛み、変形、破損し易いため、この図の様に補強することで角樋以上の強度を持つ長期にわたり変形や破損のない丈夫な樋になります。
又、梯子を直接掛けても変形せず充分な強度があります。 - 人の好みもありますが、これにより多くの方が角樋の外観を好みましたが角樋よりさらに美しいデザインのものを作り易く、自由な形の種類のものが選べます。
- 軒樋の受け金具は内側にして見えない方が外観はすっきりしますが一般の角樋の様に内側につけると落ち葉詰まりの大きな原因となります〈実例27〉ので、これを丸樋の外側に付けてこの補強で隠すことで今まで無かった理想の雨樋になります。この雨樋により相当多くの方々の落ち葉詰まりのお悩みが解消されます。
- 角樋の製作費と変わらず安価に出来ます。
- 今まで樋の固定の受け金具は丸樋・角樋の様々な種類のものを105、120等の数種類の丸樋に統一できます。
- 言うまでもない事ですが、最も重要な落ち葉詰まりや飛来物による詰まりの解消は丸樋でなければなりません。これ等のものを自然の力で飛散一掃するために、丸樋の深さを変えることにより種々の詰まり易いものにも対応する事が出来ます。
以上1〜6が理想とする雨樋の特徴です。
この補強の無いものが現在使用されている一般の丸樋ですが、いずれの丸樋もより効果を発揮するにはそれに適した条件が必要になります。
図Iに於いて落ち葉が効率よく飛散するには、Wは必要最低限に小さくHは充分な隙間が必要となります。
WとHの比は定まったものではありませんが大手住宅メーカーの中にも大きな誤りをしたものがあります。Wを樋の中心近くまで大きくしHを0mmに近くしたわずか35mmの高さのものを、お客様の設置の問い合わせから知りました。大変詰まり易いため少数であっても問い合わせが多いので目立ちます。
特に角樋がこの様に設置されたら最悪ですので直す必要があります。
トイクリーンが使用できるかできないかの問題ではなく、落ち葉は風で飛散せず、土や砂が溜まり易く雨による洗浄効果は働かず、丸(角)トイクリーンを設置しても従来の落ち葉除けネットに併用した場合と全く同様、Q&Aの解説の通り効果の少ないものになります。これは雨樋に関し全く無知な設計者が、雨水を受け入れ易く落ち葉が入り難くしたつもりかも知れませんが、直ぐに変えるべきです。
針葉樹の葉(特に桧・杉)が細かく砕けた場合〈実例27・28〉から解る様に多くの方が困っております。風では殆ど飛散しませんので豪雨時の雨水か雨樋の形状に頼るしかありません。
そこで考えられる事は、年間に数回は必ずある50ミリ〜100ミリ/時(地域により大差がある)のゲリラ豪雨で雨樋を溢れさせて浮いた全てのものを洗い落とす方法で、通常は100ミリでも溢れませんが樋の底を浅くし容量を少なくすることで可能になります。それと同時に今まで強風でも飛散しなかったこの厄介なものが、浅くする事で飛散させることが可能になります。
この方法は大部分が丸樋の普及から図Iの雨樋へと進化した後に丸トイクリーンと組合わせた図IIの針葉樹専用の雨樋の研究開発となります。
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