(3)なぜ?落ち葉で覆われても雨水は流れるのか
何故、落ち葉で覆われても雨水は流れるのか?
流れる雨水が落ち葉で阻止されるのは水の力で排水口に落ち葉が押し付けられ塞がれるのです。
この力が弱ければ雨水は流れます。
上の右図の様に主に一方向から雨水が流れる場合、流量が左図のL1より少ない場合は前面に落ち葉があっても水の力が弱く落ち葉により装置前面5箇所の縦長の排水口より雨水は流れます。
もし、排水口がこれだけでしたら、雨量が多い場合、流水面がL2になると、この5箇所の細い排水口に流水の力で幾重にも落ち葉が重なり塞いでしまいます。
また、少しでも水が漏れ流れると、そこへ他の落ち葉が吸い寄せられ、土、砂、ホコリ、等も加わり排水口は完全に密封され雨どいは溢れてしまいます。
そこで、流水面がL1を超えると右図の様に雨水を装置側面の排水口より流すことで水圧を分散させる訳です。
即ち、前面と側面で同時に排水するのです。
これにより相当な雨量に対応できます。竪どいの流水量に匹敵する量です。
それより雨量が多くL2を超える場合は、L2平面上に並ぶ楕円の排水口から排水されます。
L1〜L2の側面の排水口は雨水の流れによる水圧は全く受けず、平面上の排水口と異なり90度の角度を持つ排水口であるため、どの様な形状を持つ落ち葉でも塞がれません。
これまでは、一方向からの流れの解説でしたが、逆方向からも全く同様です。また、両方向から同時の流れにも対応します。
この場合は、右図に於いて雨どい(軒どい)の排水口の位置が中心になります。
≪追伸≫
この件に関してご質問が多く、遠方よりご来店される方もおりますので解り易く実例をもとに説明します。
日常生活で誰でも知っている事と思いますが、風呂の排水栓は常に水圧により完全に塞がれており、栓を引き上げて放すと再び元に戻り水圧で排水口を塞ぎます。
この事例と同様なプールの排水口に児童が引き込まれた痛ましい事故がありましたが、もしこの排水口を大きな半球状の「ザル」で覆っていたらこの様な事故は起こりません。さらにこの排水効率の良い網状にして表面を凸凹にすると人はその表面に密着せず吸付く事はなく事故は起こりません。
もし、この排水口に平らな網を張ったり、排水溝に同径の茶漉しの様に半球状の網でも人は吸い付いてしまいます。
これが「つまらない」丸(角)トイクリーンの、落ち葉で埋まっても雨水を流す原理なのです。
「つまらない」丸(角)トイクリーンを雨樋(軒樋)の排水口の上に設置する事で雨水を受ける前面の櫛歯は主に雨水と共に土や砂を洗い流し、側面の直角の排水部は落ち葉では絶対にふさがれない形状になっております。さらに上面(基板)の穴は傾斜した排除板により塞がれません。
この雨樋(軒樋)に生ずる水圧はたとえ溢れるまでの高さになっても(5〜6cm)落ち葉は密着せず、雨水が流れ易い構造の為どのような形状の落ち葉であっても塞がれることはありません。
つまり、雨樋の直径約5cmの排水口を、幅6cm長さ約20cmの「つまらない」トイクリーンが落ち葉を防ぎ雨水を流し入れているのです。
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